自分史が今いかに多彩な変化を遂げているのかを知る事が出来る一冊が手元にあります。

書かない自分史
「書かない自分史」

書名は「書かない自分史」自分史活用アドバイザーの仲間である倉林氏と野見山氏の共著です。
どんな自分史を作りたいのかを考えるときに是非とも読んでいただきたいと思います。

さて今回の談義は多彩な自分史をいかなる切り口で整理し、分かりやすく説明できるかです。

この本をご紹介したのは、私が自分史の形や内容を談義するとき、まずは書く自分史か書かない自分史(実際には書くのだが)から始めたいと考えたからです。

作品の形態から分類した下表を見てください。

自分の形態分類
自分史の形態

これら全ては従来のハード作品を想定していますが、近い将来にはこれらすべてをオンライン、ネット上に作り上げることが当たり前の時代がやってくるのではないでしょうか?すでに「storys.jp」はこのサービスを何年か前から行ってきたサイトです。
FaceBook などは今年のイベントや投稿をまとめて今年版の自分史めいたものを自動的に作ってくれます。
GPS情報で何日、何時にどこにいたのか自動記録されています。
クラウドストレージサービスに上げた写真からAIがアルバムを作ってくれます。
ハードコピーの時代はいつまで続くでしょうか?これらを踏まえてもなおこのサイトではハード作品づくりに挑戦していきます。

製本型:一般の方は自分史とはこれだととらえてきた方が多いのではないでしょうか。このサイトでは製本型を対象に、「あなたの人生物語」(DIY自分史)づくりに挑戦することを決意され、メンバー登録していただいた方々とご一緒に作って行きます。

産経新聞自分史ノート
産経新聞85年とふりかえる自分史

書き込み式:書き込み式自分史として2014年に朝日新聞社から「朝日新聞自分史ノート」が発刊されました。
産経新聞社は一昨年創業85周年を迎え「産経新聞85年とふりかえる自分史」を発行しました。こちらは私も手元に所蔵しています。その他にも様々な書き込み式「自分史ノート」や「自分史年表」などが発刊されています。

フリーノート型:ノートに自筆で書き込むタイプの自分史です。これに勝るものはないと言われる方もいます。私の祖父は4冊の自筆自分史を遺しました。

ノート型自分史
祖父が遺した自分史ノート

40年以上経った今日祖父が毎日書き綴っていた部屋で、孫の私が同じように自分史を書き綴ることになるとは運命の糸がなせる業としか言えません。

書かない自分史はアルバム型から説明します。

アルバム型:印刷方法により画質も変わります。このサイトでは品質とコストのバランスから、電子写真オンデマンド印刷による作品づくりのお手伝いをさせていただきます。

アルバム自分史
アルバム自分史我が家のファミリーヒストリー

私はこのアルバム自分史を毎年つくって来ました。そのノウハウと経験をメンバー登録いただいた方には全て公開させていただく予定です。

ムービー型:私はアルバム自分史に使ったお宝写真をスライドムービーにしています。大型TVに写し家族で楽しむことができます。何作品かつくって来ましたが、皆さんも使い慣れたパワーポイントを使ったかなり凝った作品づくりのノウハウをメンバーの方々に全公開する予定です。

語り部型:当家には母が戦争体験を妹の長女(姪)に語ったテープが残っています。姪が大学時代の論文を完成させるために母(おばあちゃん)にインタビューしたテープです。ビデオとは違った雰囲気をもったものとして音声自分史も独立で存在することができると思います。

自由型:最後はさらに自由奔放にいろんな形で生きた証を遺すことが可能ですとまとめました。詳しくは冒頭で紹介した「書かない自分史」をお読みください。

これらの形態をいかに構成するかは、以下のプロットによる分類が可能です。

1.時系列型:生まれてから今までを時系列を中心に、関連するものを結んだ筋書により構成します。「あなたの人生物語」はまさにこの構成で完成させることになります。

2.テーマ型:あの時、あの場所の思い出を綴り、アルバムを作ります。旅行のアルバムや育児アルバムなどもこの分類に入ります。私は自分が主人公ではなく、人生の中で使ったり、触れたりしてきた雑多なモノを主人公とした「自分雑史」という雑誌型自分史を毎年つくろうとしています。テーマは「パソコン」「映画」「食べ物」「祖父母」「旅行」となんでもOK、世代やモノの進化、その時々の友人や家族との思い出も含めて綴っています。書く楽しさを味わう自分史です。

3.エッセイ型:コラム型とも呼びます。私はブログはこの分類に入ると思っています。「徒然草」がその原型と言われているようです。

この3類型はそれぞれの形態に適用することができます。

さらに作った自分史を活用する分野に次の4分野があります。いわゆる自分史をつくる目的分類とも言えます。我々アドバイザーは自分史をつくり、以下の活用分野をを深め、広める役割をもっているので「自分史活用アドバイザー」と呼ばれています。

1.生きた証を残す:普通一般の方はこれのみだと思っておられる方が多いです。もちろん最も基本的な活用分野といえるでしょう。
子や孫に書いたもので出自を伝えることも重要だと思います。曾祖父や祖先が遺した写真は整理をしておかないと、後世の子孫にはいったい誰だろうという疑問しか残らなくなってしまいます。
写真は何も書かなくても「誰が」「誰を」「何時」「何処」で撮ったのかが分かれば(デジカメでは添付のEXIF情報・メタファイルに自動保存)画像がズバリの生きた証となります。

2.自己分析:私はこの分野が最も重く深いと考えています。
人生の岐路での選択にはこれまでの人生を振り返り、好きだった、やりたかったことを見直し、将来を選択する必要があります。
自己の人生はいったい何だったんだろうと残りの年数を数える頃になると考えだすものです。これも自己分析で現在私が直面している課題です。このサイトではメンバーとなっていただいた方々とご一緒に考えていく一つのテーマとして扱います。

3.ブランディング:”「人生物語」なら今里さん”と多くの方々に信頼頂かないと一緒に「あなたの人生物語」をつくってもらえません。そのためには強みを見つけ、一貫したブランディングを作り上げることが必要です。
私の強みは「写真」これを活かすことを選びました。自己の人生を振り返り、好きだったことやこれだけは他人に負けなかったことなどから「強み」を見つけだし、点と点を結び、筋書をつくり、強みをアピールして、更に研鑽しブランディングとするのです。

4.コミュニケーション:自己紹介で自分史にふれると相手はその人の事を信頼・理解しやすくなり、共通点を見つけ、一気に親しくなれるのです。
自己開示を恐れずにコミュニケーションすれば、相手の壁も自然と崩れ良い関係をつくれます。

こんな分野・領域でいかに自分史を活用するかを専門的に学んだ人が「自分史活用アドバイザー」なのです。

かなりののボリュームの談義となりましたが、様々な形態と構成から成り立ち、その活用領域も多様であるを理解いただけたでしょうか? 単純掛け算では 7形態x3構成x4活用分野xハード・ソフト2=168通りの自分史を紹介したことになります。

今までに学んで、経験してきたことを自分なりにまとめたつもりです。多くの異論やコメントをお待ちしております。