デジカメの変遷 (第3回)
今回は今後写真整理を進めていくための知識として、知っておいた方が良いと思われるいくつかのデジカメに関連する仕様についてその変遷とともに説明いたします。
フィルムカメラとデジタルカメラの構成の違いを示します。
(1) 撮像素子:CCD(Charge Coupled Device) とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor) の2種類のセンサーがあります。
画像の品質を決める画素数はこの素子の画素密度とセンサー全体の大きさによって変わります。
(2) 画像処理エンジン:人間の脳に相当する部分で、撮像素子からの信号をデジタルファイルに変換します。処理の速度はCPUの性能、画像品質は処理のアルゴリズムなどにより変化します。
(3) 記録メディア:デジカメ初期の段階では内蔵方式や種々のメディアが採用されましたが、今ではSDカードへの直接保存が主流となりました。
デジカメの普及は、カシオが1995年に発売した「QV-10」で始まったと言えます。当時の価格で65,000円のモデルです。
このモデルは 1/5‘(2.9×2.2mm)サイズのCCD(受光素子)を搭載しており、画素数は76,800(320×240)ピクセル、内蔵フラッシュメモリーが2MB(約90枚保存)となっていました。
画像品質は当時のフィルムカメラのプリント写真と比較すると、きめが粗く、大サイズの引き伸ばしに耐えるレベルではなく、あくまで家庭用のお手軽な記録写真用として人気が出たと言えます。
デジカメの課題はこの画像品質をフィルムカメラのプリント写真レベルに引き上げるかでした。
各社は毎年新製品を発表するたびに、先に説明した画素数向上に取組み、競争が激化して行きます。
この様子をグラフ化したのが、下図で、最新のキヤノンEOS 5DsにはCMOSセンサー搭載で5060万画素、サイズは35mmフルサイズ(24x36mm)と発表されました。